竹田津実先生のフォトエッセイ:アカゲラ

 

ハクチョウ
 

小タイトル:ドラムの音は言語だった

ザイールと呼ばれた頃のコンゴ民主共和国を旅したことがある。
山間の小さな集落をたずねた数日間、
いつも耳にとどいたのは大小さまざまな太鼓の音だった

タンタンタン・・・バナナビールが飲みごろだヨー
ドンドンド・・・△○さんのばあちゃんが亡くなった・・・

と告げた。

ドラムの音は言語だった。

ある年、我家はそのドラムの音に悩まされた。
その音は早朝からカンカンカンとうるさかった。
「起きろ、起きろ、起きるんだ」と言っているのである。

その後、
「ハラヘッタ、腹減った」とリズムを変えた。

キツツキである。
退院していったアカゲラが時々・・・というより毎日帰ってきては餌を要求した。
知らん顔をきめこむとパキンパキンとガラスを直接たたいて大騒ぎをする。
「ナニヤッテンダ、ハヤククレ」と言った。

彼らもまたドラムの音を言語としていたのである。