竹田津実先生のフォトエッセイ:アオサギ

 

アオサギ

小見出し

多くが夏鳥として北海道にやってくる。
シャイというより用心深いといった方がいいだろう。撮影に苦労する。

ある年、オジロワシの採食を観察するために水辺にブラインドを張ったことがある。休みのたびに早朝から日没までひたすら産卵のために浅い水際に集まるコイやフナを狩りにやってくるのをながめた。

ところが張り放しのブラインドになれたのかアオサギがやってきた。
ブラインドはなれたといっても彼等にとっては自然界の中の異物。用心深くゆっくりと近づく。そして横の小窓からのぞく私の双眼鏡の動きに緊張した。

立ち止まり凝視する。私のどんな小さな動きも見のがすまいと。

その時である。アオサギの頭の上に、赤トンボが止まった。
ところがどうだろう。全く気づかずに私を見つめ続けた。数分後、トンボがヒョイと飛んだ。そして又元のところに。しかし彼は微動だにしないのである。

私は自然の中にある止った様な時間を楽しんでいた。