素材力:プチトマト

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太陽の香りがぷんと漂う夏の野菜。甘味が強くてみずみずしく、体の奥底から元気になれるような気がします。太陽そのままのパワフルカラーのトマト、水浴びをしたみたいにツヤツヤ輝くナス、ビタミンたっぷりのパプリカ、スタミナの王様にんにく、実がぎっしりと詰まったズッキーニ。これら旬の恵をふんだんに使ったお料理が、今回ご紹介する「ラタトゥイユ」です。作り方はいたってシンプル。暑い時期のお料理ですから、なるべくカンタン、手軽に出来ることがなによりのごちそうですね。でもだからこそ、ポイントをきちんと押さえて調理して、雑なお味にならないように気をつけます。

いつも、私のお料理を忠実に再現し、素敵なイラストで紹介してくださる太田有香さん。このたび、一緒にお料理をすることができました。自宅でのお料理教室そのままに、切るところからぜんぶ彼女にやってもらうことにいたしましょう。私は横にいて、レシピを伝えながらあれこれ指示するだけ。楽チンです(笑)

まず最初に「薄餅」の準備から。この皮でラタトゥイユを巻いて食べようというワクワクの計画。ボールに強力粉と湯と油を入れて混ぜ、寝かすこと20分。その間にお野菜を切っていきます。大きさを揃えてザクザクと。野菜のおいしさをしっかりと味わえるよう、少し大きめに切ることが大切です。ナスは色が変わりやすいので最後にね。お家にある、一番大きくて厚みのある鍋を用意して、オリーブ油を多めに熱します。ケチケチしないで多めに。この油が旨みを引き出すのですから。そうしたら野菜を一気に入れて、全体に油がまわるようにときどき混ぜながら炒めます。火をやや強めの弱火にし、ふたをしてコトコトと20〜30分。

薄餅 夏野菜

さきほどの生地がいい感じ。12等分にして丸くのばし、二枚ひと組に。片面にオリーブ油をぬって重ね、さらにのばしてフライパンで空焼き。こんがり焼けたら1枚ずつはがして出来上がり。なかなか楽しい作業でしょ ? たくさん焼いて、冷凍保存しておくとなにかと便利です。さてさてラタトゥィユの様子はいかが ? 手間はかけなくていいのだけど、ほったらかしはよくありません。チラチラとご機嫌をとってあげてくださいね。

薄餅

野菜がくったりと柔らかくなったら、すりおろしたにんにくを入れます。こうすることで、よりにんにくの香りがアップ。夏はやっぱりこの匂いですよね。食欲がぐんと沸いてきます。最後は塩で味付け。ぼやけた味にならないよう、しっかりめに塩をしてください。

ラタトゥイユ

テーブルには、出来たてのラタトゥイユ、そのラタトゥイユをからめたパスタ、薄餅がズラリと並びました。有香さんの手際がよくて、あっという間の完成です。これでこの夏も元気に乗り越えられますね!

 

素材力レシピ

 

『ラタトゥイユ』

  • ○材料
  • トマト3個 / なす2本 / ズッキーニ1本 / 玉ねぎ2個 / ニンニク1個
  • パプリカ(赤・黄)各1個 / バジルの葉適宜
  • オリーブ油大匙 3 / 塩適宜

 

  • ① 玉ねぎ、トマト、パプリカは2cmくらいの角切りにする。ナスは1.5cm厚さの半月に。ズッキーニは1.5cm厚さの輪切りにする。
  • ② 鍋にオリーブ油を熱し、①を入れて炒める。全体に油がまわったらふたをし、20〜30分強めの弱火で煮込む。
  • ③ 野菜がしんなりとして水気がでてきたら、すりおろしたにんにくを加え、塩で味をととのえる。仕上げにちぎったバジルを飾る。

 

薄餅

  • ○材料
  • 強力粉150g / 湯50cc / オリーブ油大匙2 /塗り用のオリーブ油適宜

 

  • ① ボールに粉、湯、オリーブ油を入れて混ぜ、10分ほどこねる。ひとつにまとめ、ラップをして20分ほど休ませる。
  • ② ①を12等分し、手で丸くのばす。2枚ひと組にし、1枚にオリーブ油をぬる。もう1枚を重ね、めん棒で直径15cmくらいにのばす。
  • ③フライパンを熱し、②を入れて両面をこんがりと焼く。粗熱が取れたら一枚ずつはがす。

 

ラタトゥイユのカッペリーニ

  • ○材料
  • カッペリーニ200g / ラタトゥイユ2カップ / 塩適宜

 

  • ① 沸騰した湯に塩を入れ、カッペリーニを入れてアルデンテにゆでる。
  • ② フライパンにラタトゥイユを入れて温め、①を入れてからめ、塩で味をととのえる。