ノマドの世紀に第6回

 

写真:ケニア

タイトル

死の門をくぐる。
荒漠たる世界。
なにもない風景の広がり。
時間の感覚がなくなっていくようだ・・・

頭の中の映像はそこでいったんとぎれ
ノイズとともにシャットアウト。
さあ、やり直しだ。
OK テイク2!

太鼓とともにサンバのリズムに乗って
現れたるは黒いオルフェ!
いやいや、ここはマサイマラ。
広大なるケニアの大地だ。
抜けるような空とどこまでも広がる大地。
音楽の主はマサイの戦士。
聖なる牛の血とミルク。
高く高くとび跳ねながら
風の中で音楽が生まれる。

草の匂いが素晴らしい。
カバが水を浴びている。
キリンの群れを横切り、
ゾウの群れを追いかけ、
太陽はいつまでも沈まない。
何という”抜け方”だろうか。

アフリカという抜け道を発見できなかったら
ヨーロッパは自らの文明の重みで
崩壊していたかもしれない。
アフリカへテッポーでも打ちにいくさ、
とうそぶいたランボウは
詩人というより預言者だった。