竹田津実先生のフォトエッセイ ワタリガラス
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ワタリガラス
 
人は自分と同じ価値観を持ったものを頭がいいという ワタリガラスが知床の岩棚に営巣しています...。と書かれた本を一冊リュックに押し込んで私はこの地にやってきた。なんとしても会わなくては...と思ったのに、ついぞその烏には会えずに35日間の旅は終わった。35日では短すぎるんだと決めて、この地に住むことにした。以来、カラスのことが気になっている。

キタキツネの調査が15年を過ぎる頃、一度カラスへ浮気をしようと試みたが、それをキツネ軍団が次々に新手の面白舞台を用意してみせたのでとうとう試みは頓挫した。

カラスは人間の隣人である。キツネも同じく隣人だ。なぜか人間はこの両種は頭がいいと表現する。 ならばと、頭の良さを探そうとながめていたら、ある日気づいた。そうか、彼等は人間と同じことを考えている...と。人は自分と同じ価値観を持ったものを頭がいいというのだと知って妙に納得したのである。
   
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