アボカドをおいしくいただく第一のポイントは食べ頃のものを選ぶこと
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栗の渋皮煮

甘いデザートがあまり好きではない娘が、毎年秋になるとリクエストするものがあります。それは「栗の渋皮煮」。大粒の栗が店先に並び始めると、作ろう作ろうと、うるさいくらい。それもそうね。ぼやぼやしていると栗の季節はすぐに終わってしまうし、私も濃い目に入れた緑茶と一緒に、早くいただきたい! でもこのお菓子、材料はいたってシンプルだけど、下ごしらえが大変。そう、皮むきがねぇ〜。しかも表面の鬼皮だけを取って、渋皮はきれいに残さないといけない。いつもは私1人、黙々と栗と格闘していたのですが、去年から、娘が皮むきを手伝えるようになりました。それもなかなか上手に。ということで、さっそくよい栗を探しに市場へと出かけました。

 
渋皮を傷つけないようにフッと息を抜きながら スーパーにも栗はあるけれど、やはり市場にはかなわない。産地も、粒の大きさもいろいろなものが売っています。新潟では“村松”というところの栗が有名なのですが、この日はまだなかったので、新潟市のお隣の町、“加茂”の栗に決めました。黒々と艶があり、とにかく粒がりっぱ。売り場の横で、お店のおばさんも一生懸命栗の皮剥きに励んでいました。うんうん、実がしっかりとしていておいしそう。娘が学校から帰るのを待ちかまえ、さっそく作業開始です。我が家のキッチンには大きめの作業台があり、ここの背の高いスツールに座って、娘とふたり、栗を相手にした“格闘技”の始まりです。皮は厚くてごっついので、グッと力強く包丁を差込み、それでいて渋皮を傷つけないようにフッと息を抜きながら慎重に剥く。コツさえつかめば割りとリズミカルに進みます。その間、学校のことや友達のこと、好きな男の子? のことなど、話しが弾んで結構楽しい。「へぇ〜、そうなんだ〜。」って相槌を打ちながら、こんな風に無邪気に色々話しをしてくれるのは、あとどれくらいかなー? なんて、ちょっぴり寂しい気持ちにもなるのでした。
     
栗の渋皮煮の作り方1   栗の渋皮煮の作り方2
 
一晩寝かせます

さて、皮が剥けたらいよいよ茹でていきましょう。お鍋に栗1kgとたっぷりの水を入れ、30分ほど茹でます。1度湯を捨て、今度はぬるま湯と栗を入れて30分ほど茹でる。さらに湯を捨て、またぬるま湯と栗を入れて30分茹でる。そうしたら熱いうちに渋皮の表面をペーパーなどできれいにふき取ります。次に鍋に栗、水500cc、砂糖1kg、重曹小匙1を入れ、そのまま一晩寝かせます。ええ。まだ食べられませんの。次の日、鍋ごと火にかけ、沸騰しないように30分ほど煮てやっと完成。本当は明日になればよりおいしいのだけど、待ちきれないのでちょこっと味見。道のりは長いけれど、作ってよかったねって味です。このまま食べるのはもちろん、パウンドケーキに入れてもいいし、パイシートで1個丸ごと包んで焼いてもいい。今年も我が家に、おいしい秋がやってきました。

     
栗の渋皮煮の作り方3   栗の渋皮煮の作り方4
 

アボカドとスモークサーモンのベーグルの作り方

○材料 ○作り方
栗(大粒のもの)1キロ
砂糖1キロ
重曹小匙1
1 栗は鬼皮だけをむく。
2 鍋に1、かぶるくらいの水を入れて火にかけ、約30分ゆでる。
3 2をザルにあけ、再び鍋に入れ、ぬるま湯をかぶるくらいに入れ、約30分ゆでる。これをあと1回繰り返す。
4 3の表面をペーパーなどできれいにし、鍋に入れる。水500cc、砂糖、重曹を入れ、そのままひと晩ねかせる。
5 4を鍋ごと火にかけ、沸騰させないように気をつけながら、約30分煮る。出来上がったら完全に冷まし、保存瓶に入れて冷蔵庫へ。
 
中島有香 中島有香 Yuka Nakajima
大阪出身、新潟在住。1988年に渡仏し、フランス料理の基礎を学ぶ。帰国後東京にて、女性誌や料理教室でオリジナルの家庭料理を提案。94年に結婚を機に新潟に暮らす。現在は新潟の豊富な素材に感謝しながら、自宅での料理教室等でその使い方と楽しみ方を発信。利酒師の資格を持ち、地元の味の研究にも余念がない。夫と娘の三人家族。
関連サイト → http://www.yuka-chotsu.com

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