食材小辞典
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洋梨

花言葉は 慈しむ心

 
名前の通り、ヨーロッパ原産 洋なし(ようなし、 英名:Pear、学名:Pyrus communis L.)とはヨーロッパ原産の梨のこと。西洋なしともいいます。
 
形に特徴 形状は、和なしがほぼ球形であるのに対して、洋なしはやや縦に長く、いびつで独特な形(びん型)をしています。品種によっては、和なしほどではないが比較的球形に近いもの、逆に、縦に長いものなどがあります。果皮は赤や黄色、緑など様々だが、日本において栽培されている品種の多くは緑色で、追熟(ついじゅく:後述)させると黄色になります。また、果皮には「さび」と呼ばれる、傷のような褐色の斑が多数あります。味はお酒のように芳醇で甘く、食感はまろやか。
 
もぎたては硬くてすっぱい 収穫したての時は硬く、おいしくないといわれています。追熟といって、一定期間置くと熟し、果皮は黄色になり、強い芳香を発するようになります。また、果肉も軟らかくなり、おいしく食べることができます。これは、追熟によって果実に含まれるデンプンが分解されて果糖、ブドウ糖などの糖となるとともに、ペクチンのゲル化により、甘みと滑らかさが増加したためです。なお、冷蔵庫などで冷却することにより、追熟を中断することができるようです。バートレットなどの早生種は8月下旬から9月初めに収穫され、9月中には食べ頃となりますが、ラ・フランスなど多くの品種は10月から11月初めにかけて収穫され、食べ頃となるのは11月〜12月です。
 
起源は和なしと一緒! 和なしと同じく古い起源は中国ですが、西(ヨーロッパ)に移動して分化したものが洋なしです。日本では明治時代に導入されましたが、日本の気候があまり適していないために広くは普及せず、現在では東北地方などの寒冷地域で栽培されています。なお、生食でも食べられるようになったのは近年のことで、1970年代、80年代ごろまでは主に加工用として生産されていました。
 
成分は和なしとほとんど一緒 洋なしの成分はほとんど和なしと一緒。和なしの成分を参照しました。

・水分 :80 - 90%は水分です。
・食物繊維:ナシには食物繊維が多く含まれます。整腸作用など。
・カリウム:血液中のナトリウムイオンの増加を防ぎ、高血圧などに良い。可食部100gあたり140mg。
・ソルビトール:糖アルコールの一種。のどの消炎に効果があるようです。
・アスパラギン酸:アミノ酸の一種。疲労回復効果。
・プロテアーゼ:タンパク質分解酵素。消化を助ける。
 
今回登場したルレクチエとは? ラ・フランス、バートレットに次いで国内生産量第3位。1882年、フランスでバートレットとフォーチュニーを掛け合わせて作られた品種。甘く、香りも強い。また、果皮に「さび」が少なく外観が美しいのも特長。 生まれ故郷は北フランスのオルレアン地方。生みの親は19世紀の園芸家オーギュスト・ルズウェール。17世紀の偉大な園芸家ルレクチエ氏の名前にちなんで「ルレクチエ」と名づけられました。日本には明治36年頃、新潟県の旧白根市の農家・小池左右吉氏によって輸入され、栽培が開始されました。10月下旬に収穫し、念入りな管理のもとで約40日間「追熟」させます。11月下旬〜12月いっぱい店先に並びますが、旬がとても短い貴重なフルーツです。 

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