富良野自然塾プログラムリポート
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脚本家の倉本聰さんが自然の大切さを学習する場にしようと、「C・C・C富良野自然塾」(北海道富良野市)を開講し、50年の年月をかけゴルフ場跡地に約150,000本の木を植えて昔の生態系に戻す活動などに取り組んでいる。富良野自然塾公式ホームページによると、環境教育事業は「フィールド内に整備した実践的環境教育施設で、人間が本来持っている力『五感』を使い、様々なワークショップを行う中で昂めていきます。」とあります。2006年6月2日、午後2時。編集部も「森の授業」にふさわしい服装に着替えて、いよいよ富良野塾の自然返還体験が始まりました。
ルポタージュ1 環境教育プログラム

講習スタート
フィールドディレクターの齋藤さんに案内をしていただきながら、まずは、ゴルフ場だったころの名残が残る(正確には元グリーン!)丸太のベンチを設置した、「森の教室」に集合し、早速講習がスタートです。

【参加に際しての注意事項】
1.森の天候は突然変化します。寒暖の調整ができる服装で参加しましょう。
2.森での受講では動きやすい服装が重要です。特に靴は森にふさわしい靴を!
3.季節によっては虫が多いので、虫除けスプレーの持参をお薦めします。
4.森の紫外線は強烈。女性は日焼け止めクリームと帽子の着用もお忘れなく!
5.ペアーでのプログラムがあるので、ふたりで参加するとより楽しいかも...。

富良野自然塾のスタッフさん   丸太のベンチ    
フィールドディレクターの齋藤さん(左)とアシスタントの川田さん(右)        
森の体験1
普段は「呼吸」をとりわけ意識していないけれど、「呼吸」は人間にとって死活問題! 酸素を体内に取り込む呼吸、私たちの肉体がどれほど酸素を必要としているかということを「どれくらい永く息を止めていることが出来るか?」で体験。そして、この大切な酸素を作ってくれている「森の木々の葉っぱたち」の存在を改めて認識します。

森の体験2
続いて、人間が生きてゆく力として与えられた「五感」を日常の生活の中で私たちがいかに軽視してきたかを実感する体験が始まります。この体験は実際にやってみないと分りません。 是非、富良野の森に来て、体験してください。「目を開けて自然の声を聞く」「目を閉じて自然の声を聞く」。あなたは森の生物たちがささやきかける音をいくつ聞き分けられますか?

森の体験3
いよいよ、事前にも調べて覚悟していた「裸足での実習」です。ところが、これは予想をはるかに超えた体験でした! ちなみに写真の道が、実際に歩いた道です。この実習が終わって、フィールドディレクターの齋藤さんがこんなアドヴァイスをしてくださいました。「都会での普段の生活でも五感をしっかり使って暮らすことは十分可能なはずです。公園や、自宅のキッチンでも、ちょっと工夫して是非実践してみてください。 普段は気にしていないようなことが見え、聞こえなかったことが聞こえ、感じられなかったことが、はっきり分るようになりますよ」と。

五感を磨く道1   五感を磨く道2   五感を磨く道3

森の体験4
クイズ形式で地球の構造を知る楽しい講義。さて、あなたはどれくらい「私たちのふるさとの星」地球の姿を知っていますか?

直径1mの地球        

森の体験5
地球の比率を直径1メートルに置き換えると、地球の表面は約2畳のスペースです。

海の占める割合は?
そのうち陸地は?
砂漠は?
そして森は?
酸素をいっぱい作ってくれる熱帯林は?

齋藤さんの説明を聞いて、本当の地球の姿に向かい合うと驚くことの連続! 「日本は幸いにして、国土の約70%が森林です。」という言葉にちょっと安心。でも、世界中で1年間に日本の国土の40%にあたる面積の森林が伐採されているという。この速さは、2年半で日本が丸ごと消えてなくなる猛スピード。では、1秒間ではどれほどの森が消滅してるのか? 唖然とする前に、その危機的状況に愕然とする。

地球の割合        

森の体験6
続いて、森のおかげで得られる「水」への認識を新たにさせられる事実を齋藤さんの具体的なパフォーマンスで実感。飲料用水の貴重さを学ぶ。う〜ん、これはかなりヤバイ!

貴重な水        

森の体験7
太陽と地球。その配置と大きさ、そして引力の絶妙なバランスによって成り立っていることを森の中に配置された模型で、距離感を確認しながら学ぶ。「今、自分がこの場所に立ち、こうして生きていること」が、どれほど素晴らしい偶然に支えられているかを実感。

太陽と地球        

森の体験8
では、次に地球の成り立ちを見ていきましょう! 地球は小さな小惑星同士の衝突によってできたといわれています。地球が現在の大きさになったのが46億年前。この46億年が460mのプロムナードで表現されています。この散策路を実際に歩いて地球の成り立ちを順々に見ていきます。

誕生したての地球は真っ赤な溶岩がドロドロに渦巻く「マグマオーシャン」の時代。地球誕生から原始生物が現れるまでに、なんと6億年もかかっているということ。実際に自分の足で歩くことで、その「時の永さ」を体感できるはず。灼熱の高温化と全球凍結を繰り返す地球、まるで倉本さんの脚本のようにドラマッチクな人生を地球も歩んで来ています! 人間が誕生してからの時間の永さ、もしかしたら逆にそのあまりの短さをあなたの五感を駆使して、たっぷり体験してください。
あるご家族が参加されたとき、お父さんが「娘に「何故地球がこうなることを知っていたのに、おとうさんは何もしなかったの?」と言われたくないと思い、この実習への参加を決めた」とおっしゃったそうです。
今、地球上で大切にしなければならないことは何なのか? 今、私たちは地球に何をするべきなのか? 1メールが1千万年分に凝縮された460メートルの森の散策路は 静かに、しかしはっきりとした声でその答えを語りかけてくれるはずです。

「環境問題の方でよく言う地球カレンダーというものがある。これは四十六億年前の地球の創造を一月一日に設定し、現在を次の年へ変わる十二月三十一日と設定すると、人類の発生は十二月三十一日の午後ということになり、産業革命は十二月三十一日の二十三時五十九分五十九秒フラットということになるという、かなり興味深いデータである。それに基づけば、人類の創った文化遺産はせいぜい一秒の集積であり、それに対して自然遺産は桁はずれの時をかけ自然が創りあげた創造物ということになる。」
※『富良野風話 失われた森厳』 著:倉本聰/ 初刷 2006年5月/発行


地球の道1   地球の道2   地球の道3

環境教育事業
環境教育プログラム
株式会社理論社フィールド内に創った実践的環境教育施設で、人間が本来持っている力「五感」を使い、様々なワークショップを行う中で昂めていきます。

期間:6月〜10月下旬(フィールド状況により前後します)
場所:富良野自然塾フィールド(元富良野プリンスホテルゴルフコース)
時間:3時間(ご相談に応じます)
内容:裸足の道、石の地球、地球の道、異物の道、植樹などを行います。
人数:1組1名〜最大30名程度(ご相談に応じます)
料金:大人(高校生以上)3000円(税込)/子供(小中学生)1500円(※就学前のお子様はご参加いただけません)


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