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人類の誕生以来、使われてきた炭

Q:ところで、現在注目を集める炭ですが、いつごろから人類は使ってきたのでしょうか?

A: 人類最初の最大の発明は“火を手にいれた瞬間”といわれていますが、炭はこの火の使用と時を同じくしていたと言ってよいでしょう。30数万年前と言われる北京原人の遺跡から焚き火や岩灰などが発見されています。日本では14000年〜15000年前の無土器時代の生活跡からも、焚き火、焼き石、岩灰の類が各地の遺跡から発見されています。炭の第一の特性である燃料としての効用は、原木よりも軽く、長時間にわたって安定した火力を保持することが出来ることですが、このことが人類に技術の発達に大きなインパクトを与えたことは疑う余地はないでしょう。つまり、鉄や銅など自然では溶けない金属類を火の熱によって溶かすことを可能にしたのです。

Q:炭を簡単に説明していただけますか?

A: 実はこれが、簡単なようで難しいのです。炭の原料になる木材は、セルロース、へミセルロース、リグニン、炭素、酸素、水素などの物質で構成されています。これを加熱すると、160〜400度で熱分解、260〜800度で炭化、1800度で炭素化します。酸素が不足したり少ない状況で加熱すると、300度くらいから急速に組成分解を始め、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、炭化水素などがガスとなって揮発化し、炭化が進みます。炭化することで多孔質の炭が出来、木炭の表面積は1グラムあたり、200〜400?にもなります。たった1グラムで、この面積ですからいかにたくさんの小さな孔が空いているかが分かるでしょう!
この孔が、目下注目されている炭の特性である吸着力・浄化力に繋がるのです。

顕微鏡写真の炭断面

Q:炭にはさまざまな利用があるようですが、
具体的に教えていただけますか?


A: 古くから利用されてきた炭は優秀な燃料である以外にも、確かに注目すべき特性をもっています。でも、正しい知識をもって利用してこそ、始めて“炭の力”を生かすことができるのです。 

『立本先生直伝:炭の上手な使い方』

ここで編集部が『立本先生直伝:炭の上手な使い方』をまとめてみました!
しっかり読んで、日常生活のシーンで是非活用してください。 

第1ステップ
種類によって違う炭の効力、まず炭の種類を見分ける。
2種類の炭の特性を理解する。

黒 炭
白 炭
窯の温度は400〜700度の温度を保ち、炭化が終わった段階で、窯の口も煙突を密閉し、徐々に火を消して作る炭。低温で焼くため柔らかく、表面が真っ黒で表皮は酸性。

800度以上の高温で炭化させ、最終段階で窯の蓋を開け、空気が入りさらに高温(1200℃前後)で燃え上がった時に窯の外に出し、湿気を含んだ灰をかけて消火したもの。その際、灰が表面に付着するため色が白くなり、アルカリ性の表皮に覆われる。黒炭に比べて高温での炭化が進むため堅く締まっている。



第2ステップ
2種類(黒炭&白炭)を用意し、用途に合わせて炭を選ぶ。

事前の準備:(白炭)
たわしを使って流水で洗い、10〜15分間煮沸消毒をした後、風邪通しのよい日陰で十分乾燥させてから使用してください。

お手入れ:
飲料水・炊飯に使った炭は、洗って煮沸し乾燥させると、2〜3週間は使用できます。匂いを取った炭は180℃前後で2〜3時間加熱すると最も効果的ですが、家庭では煮沸乾燥することでも繰り返し使えます。しかし、吸着した成分をすべて取り除くことはできず、いずれは飽和状態になります。飽和状態の炭を使いつづけると、においや成分が炭から溶け出すので逆効果。使い終わった炭は、砕いて園芸用などの土壌改良剤として土に返しましょう。

第3ステップ
用途にあった分量を、有効な期間内で活用する。

●ミネラルウォーターの作り方  白炭
水1リットルに約50グラムの白炭を入れ、1〜2日置きます。炭が水道水の残留塩素などを吸着除去すると同時に、炭に含まれているカルシウムなどのミネラルが溶け出し、おいしいミネラルウォーターになります。ただし、腐りやすいので2日以内に飲むようにこころがけてください。

●おいしいご飯を炊くには  白炭
炊飯器に白炭(米3合に50グラムくらい=直径2〜3センチの炭ならば8cmが目安)を入れてご飯を炊くと、残留塩素などが吸着除去されて水質が改善し、炭から溶け出したカリウム、ナトリウムなどのミネラルがお米のアミラーゼを膨潤させるため、ふっくらと仕上がります。

●冷蔵庫の匂い対策 白炭と黒炭の両方
冷蔵庫の中では、さまざまな食品からガスが発生し、これが特有の匂いのもとになります。アルカリ性ガスを吸着するには表面が酸性の黒炭、酸性のガスを吸着させるには表面がアルカリ性の白炭が適しているので、黒、白炭両方を入れると効果的。なお。空気の流れがあるので、数カ所に置くと効果的です。

●野菜の鮮度を保つ 白炭でも黒炭でも
野菜から出るエチレンガスは植物の成長を促進する反面、老化も促進するので
痛みも早くなります。炭はこのエチレンガスも吸着するので、野菜の鮮度保持に最適です。キッチンペーパーなどに包んで冷蔵庫の野菜室に数カ所置きましょう。また、野菜を5グラムくらいの炭と一緒に密閉パックに入れて保存するとさらに効果的です。

●靴箱やトイレなどの匂い取り  黒炭
アンモニアなどはアルカリ性のため、表面が酸性の黒炭を使用してください。
ガスは高いところに集まり易いため、高い場所に置くように工夫してください。
なお、湿気対策も同時にする時は、湿気が下にたまるので棚の下部にも分散して置くことをお薦めします。 

●お風呂を快適に  白炭
家庭の平均湯量200リットルに約700グラムから1キログラムの白炭を洗濯ネットなどに入れて使用。(湯量の0.1〜0.3%程度がめど)水が浄化され、炭のミネラル分が溶け出し、同時に湯垢(=脂肪酸)を吸着してくれます。
給湯式の場合はお湯を入れ始めた時から、沸かし湯の場合は水を入れ始めた時から入れます。他の入浴剤との併用は厳禁です。

●洗濯   白炭
洗剤の代わりに白炭(水15リットルに対して炭1本)をワインのコルクや発泡
スチロールなど水に浮くものを一緒に靴下などに入れて縛り、茶さじ2杯程度の塩を入れて洗濯します。>>PAGE-3