〜SDGsを実現する社会の創成〜エコビーイング
・シンポジウム2021

21世紀が経済発展のみならず、環境や文化とも調和がとれた心豊かな世紀になることを願い、“もっと地球と話そう”をスローガンとし、『エコビーイング』を創刊したのは、ミレニアムを直前に控えた1999年のことでした。そして、2021年、創刊から22年を迎えた今年、私たちは、『エコビーイング』の活動をより立体的に展開したいと考え、「エコビーイング・シンポジウム2021」を開催することに致しました。

シンポジウムは、コロナ禍の現状を鑑みて、リアルとオンラインを融合した試みとなり、“かけがえのない地球を未来の世代にしっかり受け渡す”というSDGs実現への強い意志を持った提案者であり、実践者でもあるパネリストの皆さまにご参加頂き、アートプログラムや基調講演から、コンサートまで、さまざまな表現活動を通じて、現在進行形の環境の危機と私たちの未来に興味・関心をお持ちの皆さまとコミュニケーションを取る機会を創り出したいと考えています。
パネリストの方々やプログラムの詳細に関しては、この場で発表していく予定ですので、引き続き、ご注目頂ければ幸いです。

『エコビーイング』編集長 太田菜穂子

エコビーイング・シンポジウム2021 開催概要

開催日|
開催予定日|2021年9月29日(水)
会場|
日本工業倶楽部 大会堂(2F)
100-0005 東京都千代田区丸の内1の4の6
Tel : 03-3281-1711(代表)
| Fax : 03-3281-1797
定員|
150名(オフライン|会場内)全国からオンライン参加
主催|
株式会社クレー・インク 
/ エコビーイング編集部
協賛|
JFEホールディングス株式会社
プレスオフィス|
株式会社キャンドルウィック
協力|
NPO 東京画 / 大正大学・国際教養コース
シンポジウム

メッセージ 2021確かな未来は、
懐かしい過去にある。

地球上の生物の総重量は1兆1千億トンあるが、人間が生み出す人工物の総量が2020年12月にそれを超え、さらに毎年300億トン―毎週世界中のすべての人が自分の体重以上の人工物を生み出しているのと同じ―を生み出し続けているという、アントロポセン(人新生)の環境危機である。

©︎ Kentaro KUMON / TOKYO-GA

何が問題なのか?

今、2050年を目指してカーボン・ニュートラルが話題になっているが、自然界での炭素は主に太陽エネルギーを駆動力として完璧な循環を持つのに比べ、人工物はほとんどの場合、つくる時、運ぶ時、使う時、そしてその寿命を終える過程で炭素は循環せず、蓄積してしまう。それが温暖化という気候変動につながり、さらには生物多様性の劣化にも大きく影響している。 現に、この50年間で地球上の脊椎動物は68%減少、昆虫は最大この27年間で75%減少した。昆虫がいなければ90%以上の植物は受粉出来ず、植物がいなくなればほとんどの動物は生きていられない、そして人間も…。

では、どうするのか?

このままでは間違いなく20年後、いや10年後には文明崩壊の引き金に手を掛けることになるのだろう。未来の子供たちに手渡すバトンとは、あらゆるものが循環するものつくり、暮らし方のかたちを創り上げるしか無いのだ。

©︎ Kentaro KUMON / TOKYO-GA

では、どうやって?

循環しない暮らし方や循環しないものつくりからの離脱である。それでは明日から車にも電車にも乗れなくなる、プラスチック製品はもとより身の回りにある多くのものが使えなくなる・・・
そんなことは到底無理だ・・・ 
電車の本数が1/10になる、それは大変なことなのか・・・
大変かもしれないけれど、まずはそれを受け入れてみよう。そしてその制約の中で、どうやって移動を楽しむのか考えて見よう。
思考の足場を少し変える(バックキャスト思考)だけで新しい世界が見えてくる。

それはちょっとした不自由さや不便さ(喜ばしい制約)を、個(人)やコミュニティーの智慧や知識・技で乗り越えることであり、その結果、愛着感や達成感、充実感の生まれる暮らし方のかたちなのである。

©︎ Kentaro KUMON / TOKYO-GA

そんなことが実際にできるのか?

今回のコロナ禍で、三密という制約の中で多くの人たちが新しい暮らし方のキーワードを見つけた。テレワークが地元や家族の再発見につながり、自分時間や家族時間を大切にし、ワークとライフが重なる暮らしの楽しみを実感した。

文化が人にとっての生命維持装置だったと認識し・・・皆が横並びではなく、個(個人、家族、コミュニティー、小さな企業、小さな行政など)のデザインが新しい時代に大事な暮らし方、働き方、学び方のかたちであることが分かった。その結果、最先端テクノロジーを使わずとも30%もの二酸化炭素を削減できたのだ。

未来の子供たちに手渡さねばならない素敵なバトンとは、真っ白いキャンパスにゼロから描くことではない。
歴史の中で学んだ様々なことを今一度、遊び心を持って、スタイリッシュに紡ぎ直すことなのだ。確かな未来は懐かしい過去にある。そして、それは都会ではなく、ローカルが主役の時代がすでに始まっているということでもある。

僕は今、(奄美群島)沖永良部島に住みながら、あらためて思う。ここには何もないけどすべてがあると…そしてその原点は自然と笑顔なのだと。そして、高く思い豊かに低く暮らすことこそが、未来へのバトンの基本なのだと確信している。

石田秀輝|東北大学名誉教授

株式会社INAX(現:LIXIL)取締役CTO、東北大学大学院教授を経て、合同会社地球村研究室 代表社員、ネイチャーテック研究会代表、ものづくり生命文明機構理事、(一社)SuMPO理事長等を兼務。地球物理学をベースとした材料科学を基盤とした環境科学を専門とし、人と地球を考えた新しいものつくり「ネイチャー・テクノロジ―」を提唱、実現に向けて国内外で活動。