~地球の声に耳を傾ける~エコピープル

 

2026年初夏号 Ecopeople 108辻井ミカさんインタビュー

自然の中に身を置き、季節の移り変わりや、自然界の微細な変化に趣きを見出し、美意識として昇華させてきた日本人。中でも四季を彩る草木や花々を身近に置き、そのいのちの姿に想いを託する「いけばな」は、日本人の暮らしを彩る重要な生活文化です。
現在、日本で活動する「いけばな」の流派は300以上とも言われています。その中で嵯峨御流は、家元が存在しない流派の一つです。第52代嵯峨天皇(786-842 / 在位: 809-823)が約1200年前に建立した離宮嵯峨院(現大本山 大覚寺)大沢の池の菊ガ島に咲く可憐な菊を手折り、殿上の花瓶に挿され、その姿が「天、地、人」三才の美しさを備えていたことに感動され、「後世花を生くるものは宜しく之を以って範とすべ し」とおっしゃったことがその始源とされています。

旧嵯峨御所 大本山 大覚寺

歴代の天皇や皇族が門跡を務めた大覚寺の「いけばな」は、日本独自の繊細な感性と美学が根底に流れています。空海が説いた密教の哲学体系「六大」の思想を背景に、粛々と21世紀まで継承されてきました。文化の永続性を最優先し、その職務を華道総司所 華務職が継承してきた大覚寺の「いけばな」の精神と哲学について、華務長 辻井ミカさんにお話を伺いました。





取材日|2026年3月30日
取材場所|旧嵯峨御所大本山 大覚寺
インタビュー・テキスト|太田菜穂子
写真|森山雅智

















辻井ミカさん
インタビュー



辻井ミカ TSUJII Mika

祖父・父の跡を継ぎ昭和43年より嵯峨御流に入門。嵯峨御流華道総司所 評議員、華道理事、華道企画推進室副室長等の役職を歴任の後、華道総司所華務長を平成26年より3期12年勤め、令和8年4月1日より特別華務職。
現在、嵯峨御流華道芸術学院 特命教授
日本いけばな芸術協会常任理事 / 京都いけばな協会理事
大正大学客員教授 / 京都モデルフォレスト協会理事