エコワード:さ行
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○産業廃棄物 事業活動によって生じた廃棄物。民間の工場、ビル、商店などの営利目的の事業によって排出されるもの、および下水処理や水道事業などの公共事業によって生じたものも指す。細目としては、燃え殻、汚泥、廃油、廃アルカリ、廃プラスティック、紙くず、木屑、繊維くず、動植物性残留物、ゴムくず、金属くず、ガラス・陶磁器くず、鉱さい、建築廃棄物、動物の糞尿、動物の死体、および上記に該当しないものと処理作業によって生じたものなどが上げられる。
 
○先駆的低公害車実用評価事業 大気汚染対策及び地球温暖化防止対策等の地域環境や地球環境の改善のため、将来的に普及することが望ましい先駆的低公害車の導入を図ろうとする者に対し、その購入経費の一部を補助する事業。多様な使用条件下における実用性の査定、低公害性等の状況のモニタリングなどを通じて、技術情報を的確に把握し、先駆的低公害車の特性に合わせた検査基準等の策定や低公害車の普及・促進を図ることを目的とする。補助対象車両としては、圧縮天然ガス自動車、メタノール自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車等の低公害車。補助対象事業者は、走行の距離及び時間が長く、使用実態の把握等が容易である車両の使用者(バス事業者、ハイヤー・タクシー事業者等)となっている。
 
○酸性雨 【Acid Rain】
工場や自動車から排出された硫黄酸化物や窒素酸化物が大量に大気中に放出されると、やがて強い酸性の雨が降る。これが酸性雨。酸性雨は森林や農作物の枯死、魚類の死滅、石造建築物の溶解など、深刻な被害を与える。
対策として、工場での脱硫・脱硝装置の設置や、自動車のエンジン改善・触媒装置の搭載などがある。
 
○自然の権利訴訟 野生生物に代わって開発差し止めなどで起こされる訴訟。アメリカで提唱されたものだが、日本でも、1995(平成7)年、鹿児島県奄美大島のゴルフ開発許可取り消しを求めて、初めての自然の権利訴訟が始まった。当初は原告にアマミノクロウサギ、アマミヤマシギなど4種の動物が加わっていたが、鹿児島地裁はこれを認めなかったため、原告の自然保護グループのメンバーの名前に「アマミノクロウサギこと誰々」と付け加える形で届出を受け付けた。奄美大島での訴訟は二件起こされてが、龍郷町のゴルフ場は計画断念、住用村も着工延期が繰り返されて、めどが立たない状態。野生動物が法廷で、本来の姿で生存する権利があることを訴えるこの自然の権利訴訟は、奄美大島のほかに、茨城県・霞ヶ浦のオオヒシクイ訴訟、長崎県・諫早湾のムツゴロウ訴訟、川崎生田緑地のホンドキツネ訴訟、大雪山のナキウサギ訴訟などが進行中である。

 

 
○CNG 【Compressed Natural Gas】
圧縮天然ガスのこと。天然ガスは、化石燃料の中でCO2の排気量が非常に少なく、煤塵、SOxの排出もほとんどない。また、燃料制御性も良いためNOx低減を実現しやすいクリーンなエネルギーである。
 
○GTL 【Gas To Liquids】
天然ガスから、灯油、軽油などの液体燃料を製造する技術。GTL技術により製造された灯油や軽油は、硫黄分や芳香族(ベンゼン、ナフタレン等)などの公害の原因となる物質を一切含まない。従って、自動車燃料などに使用しても、硫黄酸化物(SOX)や粒子状浮遊物質(SPM)がほとんど出ない。さらに、硫黄酸化物が含まれていないので、窒素酸化物(NOX)などの公害物質を処理する触媒の併用も容易になり、ディーゼルエンジン自動車の排気ガス公害もほぼ解消されるものと期待されている。
 
○持続可能な開発 【Sustainable Development】
次世代の欲求を満たしつつ、現世代の欲求に対応する開発のありかた。1987年、【環境と開発に関する世界委員会】が公表した報告書【Our Common Future】の中心的な概念で、環境と開発を共存できるものとして捉え、環境保全を考慮した節度のある開発の重要性を提唱したもの。
 
○持続可能な開発に関する
 世界首脳会議
【WSSD: World Summit on Sustainable Development】
ヨハネスブルク・サミット2002
2002年8月(地球サミットから10年目)、南アフリカ共和国・ヨハネスブルグで開催され、193の国家と地域から約21,000人が本会議に参加した。開発と環境の調和のとれた未来への持続可能な世界を目指し、『アジェンダ21』とその実施のため、既存の計画の包括的な見直しや、情報通信技術の発達がもたらした国際社会が直面する新たな課題について議論された。
 会議では、21世紀の人類の行動計画となる実施文書や政治宣言「人類発祥の地であるアフリカ大陸から、持続可能な開発という共通の希望を実現することを公約する」が採択され、先進国と開発途上国との貧富の差の解消に、世界が一致して取り組む決意が表明された。
 
○シックハウス症候群 シックハウス症候群とは、新築の住宅等の住宅建材や内装材から室内に放散される揮発性物質によって体調不良や健康に障害が引き起こされること。主に頭痛、粘膜刺激、アトピー性皮膚炎などの症状があり、近年の住宅の高気密、高断熱性も原因となっている。シックハウス症候群には二酸化炭素や粉塵が原因となって起こるものもあるため、室内の換気や空調の調節などが対策として有効とされている。揮発性物質:ホルムアルデヒドやトルエン、キシレン、木材保存剤、可塑剤、防蟻剤など。
 
○DME(ジメチルエーテル) 21世紀のクリーンエネルギーとして期待されている物質。
DMEは化学式がCH3OCH3で示される。常温では気体で、現在その大部分がスプレー式の化粧品や塗料に使われている。DMEは空気中に放出されると数十時間で分解するため、温室効果やオゾン層破壊の懸念が無い安全でクリーンな物質。また、硫黄分を全く含まないため燃焼してもSOxが発生せず、NOxの発生も少ない燃料として注目されています。比較的容易に液化することから、LPGと同様にエネルギー貯蔵、輸送が可能。黒煙の出ないディーゼルエンジン代替燃料、高効率火力発電用燃料、家庭用LPG・コジェネ用ガス代替可搬型燃料、燃料電池自動車用燃料など、21世紀のクリーンエネルギーのひとつとして幅広い分野での利用が期待されている。
 
○循環型社会形成推進基本法 資源の消費を抑え、環境への影響が少ない「循環型社会」を構築することを目的に、その実現に不可欠な基本原則を規定した法案。ゴミの発生を抑えることを最優先に掲げ、国や企業、国民の果たすべき役割なども規定している。また、廃棄物となる製品を作った企業などに対しては、一定の範囲で廃棄物の回収・再利用・最終処理責任を課す「拡大生産者責任」を明確化している。したがって廃棄物を排出した企業などは、廃棄物の投棄で重大な環境汚染が生じた場合、元の状態に戻さす義務がある。第147回国会で審議され、2000年5月26日に成立。
この法案の理念に基づいて同日成立した、廃棄物の排出事業者の 責任を強化した「改正廃棄物処理法」は2001年4月より全面的に施行される。
 
○森林認証制度 再生利用可能な循環資源としての木材を適切に管理された森林を認証し、製造された木材に認証マークをつけて流通させることで消費者が環境に優しい木材製品を自ら選び取れ、森林破壊、劣化防止を目的としている制度。現在では欧米を中心に導入が進んでおり、日本を含めアジアでも取り組みへ向けて広がりを見せている。国際的な認証機関として、1993年設立のFSC(=Forest Stewardship Council)の他にヨーロッパの林産業者による制度PEFC(=Pan European Forest Certification)、イギリス独自の認証機関UKWAS(=UK Woodland ASSUrance Scheme)等がある。
 
○スローフード 【Slow Food】
ファーストフードのスピードから解放され、食事をゆっくり食べようといった趣旨から1986年北イタリア、ピエモンテ州のブラという町でスローフード協会の発足とともに誕生。スローフード運動は、単なるファーストフードの否定ではなく、また、だらだらと時間をかけて食べるということでもない。食材、料理人、共に食事をする人や家族との時間やコミュニケーションを十全に楽しむために、食事についてじっくり考えようという運動である。具体的には以下の3つの活動が挙げられる。
1.消滅の恐れがある伝統的な郷土料理や食品を守ること。
2.質の高い素材を提供する小生産者を守ること。
3.子どもを含めた消費者全体に、味の教育を進めていくこと。

◇スローフード築地webサイト 
→ http://www.slowfood-tsukiji.net/

 
○生物多様性条約 【Convention on Biological Diversity】
地球上のあらゆる生物の多様性をそれらの生息環境とともに最大限に保全し、生物資源を持続的に利用できるようにし、さらに生物資源から得られる利益を公平に分配することを目的とした国際条約。1992年5月、ケニアのナイロビで採択され、同年6月にブラジルで開かれた地球サミットで、わが国を含む157カ国が条約に署名した。締約国会議の事務局はカナダのモントリオールに置かれている。これまでは野生生物の国際取引の規制(ワシントン条約)や湿地の保全(ラムサール条約)のように特定の行為や特定の生息地のみを対象としていたのに対し、生物多様性条約では、野生生物の保護の枠組みを広げ、地球上の生物の多様性を包括的に保全する
ことを目的としている。
 
○静脈産業 経済活動での生産を担う産業を動脈に喩え、消費後の廃棄物を扱う産業を静脈に見立ててこう呼ぶ。循環型社会の形成のために静脈産業の育成は急務である。人間の血液循環を見てみよう。酸素とヘモグロビンが結合した新鮮な血液が心臓から送り出され、動脈を通って体の細部に行き渡り、日々の活動を支えている。役割を終え、ヘモグロビンから酸素が離れた血液は汚れており、静脈を通って再び心臓に運ば れて綺麗な血液に再生される。この循環が維持されることで私たちは健全な生活を送ることができる。同様に、経済活動において静脈の役割を担うのが静脈産業だ。20世紀までの経済社会はモノを作るための動脈産業を肥大化させ、廃棄物を資源化する静脈産業の育成を怠ってきた。そのツケが資源や環境、廃棄物処理の制約となって現れている。もはや動脈産業だけでは経済は回らない。動脈産業の発展のためにも、静脈産業の健全な育成が不可欠の条件である。静脈産業をビジネスとして育てるためには、動脈部門の発想の転換が必要だ。例えば、製品設計の段階から長寿製品を心がける、再資源化しやすい素材を選ぶ、部品数を減らす、解体しやすい設計を目指すなど。一方、政策面からは廃棄物の排出量抑制のための法的規制、リサイクル素材がバージン原料材と価格面で対抗できるような税制導入などの政策誘導措置が必要だ。動脈産業の発展のためには規制緩和が効果的だが、静脈産業の場合は逆に厳しいくらいの規制が新技術を生み、産業を育てるとも言える。動脈産業への規制緩和、静脈産業への規制強化と政策誘導のように異なる方法を組み合わせてバランスのとれた循環を作ることが今後の経済活動の必須条件である。
 
○ゼロエミッション 産業廃棄物をゼロに近づける計画。1995年に国連大学が提唱したコンセプト。従来だったら廃棄物として処理していたものを次々に資源として投入し、最終段階まで可能な限り有効利用を図ろうという計画。実際にフィジーで「エコファーミング」プロジェクトとして実行されている例は以下の通り。ビール工場から出る汚泥→キノコの肥料→キノコ栽培の残留物→鶏の餌→鶏の糞からのメタンガスの発生→学校の発電機→ガス以外の固形物は養殖池の養分…。
 
○ソフトエネルギー 石油、石炭、天然ガスなどの、化石燃料や原子力利用のハードエネルギーと比較して、太陽エネルギーや、地熱、風力、波力等の自然を利用したエネルギー。利点としては環境を汚染しないことや、無限であることなどが挙げられるが、ハードエネルギーと比べてエネルギー密度が小さいことや、気象などに左右されやすいといった問題点もある。しかし、再生可能なエネルギーとしてより広い実用化が期待されている。
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