エコワード:た行
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○耐容一日摂取量 【TDI: Tolerable Daily Intake】
一生摂取しても、格別の健康影響がないとされる一日・体重1キログラムあたりの摂取量を意味する。より低い値にすることは望ましいが、環境影響をただちに取り除くことは難しいので、「耐容」の用語が用いられることになった。以前は、許容一日摂取量(ADI Acceptable Daily Intake)が使われたが、「許容」というほど明確に害がないことを証明できないという意味で、最近はTDIが使われることが多い。
 
○太陽熱利用システム 【Solar Heat Energy Utilization System】
太陽の熱エネルギーを給湯や暖房などに利用するシステム。太陽熱温水器とパッシブソーラーシステム(passive solar system)がともに広く実用化している。太陽熱温水器は、家庭を中心に普及している自然循環式と、さらに性能向上を図った強制循環式が開発されている。パッシブソーラーシステムは、集熱、蓄熱、放熱といった自然の作用によって、機械力に頼らずに冷暖房の効果を得るシステムで、住宅やビルの設計に取り入れられている。エネルギー需要の伸び率が高い民生部門のエネルギー消費を抑制するシステムとして普及が期待されているが、初期投資が高いことが課題になっている。
◇新エネルギー・産業技術開発機構
→ http://www.nedo.go.jp/
 
○炭素税・環境税 環境への負荷に応じて税金をかける仕組み。例えば炭素税は二酸化炭素(CO2)排出量に応じて課税することにより、CO2排出量を抑制しようとするもので、デンマーク、オランダ、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンが導入している。また、1999年にはドイツとイタリアが、エネルギーに対する追徴税(エネルギー税)を導入し、2001年にはフランスとイギリスが準じた。これに伴って、他のヨーロッパ各国政府も省エネルギーへの企業努力を促すための措置を取り、欧州全域で官民一体となってエネルギー消費削減を推進する動きを見せている。たとえばデンマークでは、エネルギー削減を政府に公約した企業は税が軽減され、オランダやドイツでは、省エネルギー設備への投資に対する税の軽減や補助金の付与などの措置がとられている。
 
○ 地域冷暖房
一定地域の建物群全体に、1箇所又は数箇所の熱発生所(プラント)から供給される冷水、蒸気、温水等をネットワークする冷房、暖房、給湯システム。大気汚染防止対策や省エネルギー対策、さらには地球環境対策、都市アメニティの追求などの観点から推進されている。

 

 
○地球温暖化 化石燃料を燃焼させることによって生じる二酸化炭素などの温室効果ガスによって起きる現象。地球の温度は、太陽から降りそそぐエネルギーと地表面から宇宙に向けて放射される熱のバランスによって決まる。太陽からやってくる光は大気を素通りして地表面を温め、加熱された地表面が赤外線を放射する。大気中に含まれる温室効果ガスがこの赤外線を吸収し、その熱の一部を下向きに放射される。この現象によって、地球全体に温室のような効果がもたらされる。
 
○地球サミット
 (国連環境開発会議)
【Earth Summit = United Nations Conference on Environment and Development】
地球環境保全が世界的な課題となる中で、国連が世界各国や産業団体、市民団体などを召集して催した国際会議。1992年6月、ブラジル・リオデジャネイロで開催された。世界から約180カ国の代表が参加し、首脳級の参加者だけでも100カ国を超えた。日本は、首相の出席は叶わなかったが、92年度からの5 年間、合計で環境ODAを1兆円程度とすることなど、他の先進国に抜きん出たコミットメントを示した。この会議では、環境と開発に関するリオ宣言(Rio Declaration on environment and Development)、21世紀に向けた人類の行動計画であるアジェンダ21(Agenda 21)、森林保全などに関する原則声明を決定した。また、気候変動枠組み条約についても署名を行った。
 気候変動枠組み条約は、その後55カ国が批准し、94年3月に正式に発効。この条約は、「大気中の温室効果ガスを、気候に対して危険な人為的影響を及ぼさない水準に安定させる」ことを最終目標とし、当面の目標として「先進国が90年代末までに、温室効果ガスの排出量を90年レベルに抑制する」ことを掲げた。しかし、実際のプログラムについては、各国間の利害調整ができず、協議は条約締約国会議に引き継がれることになる。2000年以降の温暖化防止策も新たな焦点になったが、この点についても第1回のベルリン会議、第2回のジュネーブ会議を経て、1997年12月、京都で開かれた第3回地球温暖化防止京都会議で決着をみるに至った。
 
○蓄熱方式 【Thermal Energy Storage System】
ビルや工場の変動のある熱需要に対する負荷平準化対策法のひとつ。建物の構造躯体などを利用するパッシブ蓄熱と蓄熱材を利用するアクティブ蓄熱にニ分類される。アクティブ蓄熱は、システム蓄熱とも呼ばれ、熱を生産する熱源機器と消費する負荷との間に蓄熱材を介在させて両者の時間的なズレを調整するシステムである。蓄熱材の種類によって、さらに、水と固形物質の顕熱、氷と熱水などの潜熱、さらに水和物や包接化合物(クラスレート)との化学反応熱を利用する方式に分かれる。近年は、オフィスビル等の冷房負荷の増大から、夜間電力を利用した水蓄熱方式や氷蓄熱方式が急速に普及している。
 
○窒素酸化物 【NOx: Nitrogen Oxides】
一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物の総称。
窒素酸化物の環境中濃度は全国1848の測定所で毎時測定され(1996年度)、集計されている。大気中の二酸化窒素については、環境基準が設定されているが自動車NOx法特定地域における環境基準達成率は1998年度において171の自動車排出ガス測定局(沿道など)で約36%、321の一般環境大気測定局(住宅地域)では74%であり、その達成率は大都市において特に低い。窒素酸化物の約6割は工場等の固定発生源、残りの4割が自動車によって発生されるが、自動車排気ガスは人々の生活空間周辺で排出されるため、環境に与える影響では、自動車排気ガスの寄与の方がはるかに大きい。窒素酸化物は家庭内の調理器具や暖房器具からも排出されるため、室内空気の窒素酸化物の濃度が、大気濃度に比較して非常に高い場合もある。二酸化窒素は呼吸器系疾患の原因物質と考えられているが、最近は微細粒子の前駆物質としての問題点も指摘され出した。
 
○時のアセスメント 予算化されているにもかかわらず長期間着工されていない事業などについて、中止を含めて再評価するアセスメント。北海道などで導入され、1998年から当時の建設、農林水産、運輸省などでも始めた。原則5年ごとに事業の進展状況、社会経済情勢の変化、費用と効果の分析などの観点から事業を見直し、継続か休止・中止か縮小かを決める。自民党の公共事業抜本見直し検討会は、?事業費は計上されてから5年以上経過しても未着工、?完成予定年度から20年以上経過しても未完成、?実施設計調査から10年以上事業費が計上されていない、?政府による再評価で「凍結」された、の4項目を示し、国営中海干拓事業(島根)や、吉野川可動堰(徳島)の中止、見直しが決まった。与党三党が中止を勧告した公共事業は233件。事業費にして、約2兆8000億にあたる。工事が延長された諫早湾干拓事業も時のアセスメントを2001年に実施する。
 
○特別管理一般廃棄物&
 特別管理産業廃棄物
「一般廃棄物」及び、「産業廃棄物」のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害が生じるおそれがある性状を有するものを指す。これらは排出の段階から処理されるまでの間、常に注意して取り扱わなければならないものとして、別途定められた処理基準を遵守し、排出事業者における特別管理産業廃棄物管理責任者の設置が義務づけられるとともに、『業の許可』も普通の産業廃棄物とは区別されている。
 
○トップランナー方式 【Top Runner Standard】
省エネルギー促進のために政府が始めた政策のひとつで、利用可能な機器(商品化された機器)における省エネルギー基準を最高の効率値に設定することを定めた。これまで、家電機器の省エネルギー基準は商品化された機器の平均値を若干上回る程度の水準に設定されていたが、次の対象品目に対して、基準を最高レベルまで上げることになる。対象品目とは、自動車(ガソリン車・ディーゼル車)、貨物車(ガソリン車・ディーゼル車)、エアコン、蛍光灯、テレビ、複写機、電子計算機、磁気ディスク、VTR、電気冷蔵庫の12品目。勧告に従わなかった場合は、公表、命令、罰則(罰金)を科するなどの担保措置が強化される。
 
○トリハロメタン トリハロメタンとは水道水に含まれている物質で、メタンの水素原子3つ(ラテン語のトリ)がハロゲン元素で置換されたもので、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類の総称。トリハロメタンは水道水の塩素処理が生成原因であり、中でもクロロホルムは発ガン性が認められている。水道水になる前の未処理の原水に含まれる生活廃水や工業排水中の有機物がメタンの生成源となり、塩素などのハロゲン元素が反応し浄水場やタンク、水道管の中でトリハロメタンができる。気温が上昇すると水道水中のトリハロメタン濃度も上昇するため特に夏季は注意が必要となる。
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